会長 高橋 温

高橋温会長

 有信会員の皆様には、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、目を世界に転じてこの1 年を振り返りますと、6 月の英国のEU 離脱表明から11 月の米国でのトランプ新大統領の選出、そして1 月の就任に至るまで、欧米を中心に、当初は凡そ世界が想定していなかった事態が相次ぎました。史上かつてないスピードで各方面のグローバル化が進展する一方で、価値観の多様性、経済学的、地政学的な影響も孕んで、まさに世界は混沌の様相を呈していると言えます。

 このようななかにあって、必ずしもポピュリズムに迎合することなく、法学・政治学を通じた物事の本質を見極める力と国際感覚を有した者こそが求められる人材であると私は確信しています。有信会員・先輩諸氏が、法曹界のみならず官公庁・民間企業などにおける幅広い分野で活躍されていることがそのことを如実に物語っています。

 現在、法学部では法学・政治学を基盤とするグローバル人材養成強化事業への取り組みや実務関連科目の開講、法学研究科での企業法務を担う社会人などを対象として、より高度な知見修得のための研究の場を提供するとの試みなど、新機軸に取り組んでいます。高い志を持つ若者をそのような学びの場に招き入れ、また彼らが期待される世界へ導く窓となる大学の取り組みを有信会としても強く支援していきたいと考えます。

 今回の有信会誌では、「学生交流会開催報告」の章を設けて、昨年11 月に開催いたしました「学部学生交流会」のご紹介をしています。5 回目となりました昨年は法曹界・官庁・民間企業の3つの分野からOB・OG の方々をお招きして開催いたしました。社会人としての我々と同じ学びの場を選択した法学部生との交流を進めることで、窓から垣間見える世界を具体的に知る場となっていければ幸いです。

 昨年のご挨拶でも申し上げましたが、有信会は規約に定めた「大学の支援者」としての立場は勿論のこと、更に進んで大学とともに歩む、双方向の活動を重ねていきたいと考えます。

 最後になりましたが、有信会員の皆様方のご健勝と有信会の益々の発展を祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。

有信会誌 第65号(2017.3.1)